1.5Vで動作するトランジスタアンプ
雨が降ったり、晴れてみたり、なんだか忙しい天気が周期的に続いていますねぇ。インフルエンザも流行っていることだし、体調管理には気をつけましょう。
さて、最近トランジスタ回路にハマっています。集積回路全盛のこの時代に、何でイマサラ、という感じなのですが、集積回路ではできない、こだわりを盛り込めるのが魅力かなと思います。最近では、高性能なOPアンプなどを使えば、高利得・低ノイズ・低ひずみな回路が簡単に作れます。しかし、たとえば出力電力がもっと欲しいとか、ノイズをさらに低くしたいとかいった場合には、それにあわせた付加回路をつけたり、時には回路全体をディスクリートにすることで、面倒ながらも他にはない性能を出すことができます。
さて、話は変わりますが、かなり前に紹介したナショナルのR-155という7トランジスタのラジオがあります。このラジオは単三乾電池1本でスピーカーを鳴らせる数少ないラジオです。電子工作好きな私は、この単三乾電池1本でスピーカーを鳴らせるという点が凄いと思っています。低い電圧で回路を作るのは、かなり難しいのです。
トランジスタ回路に興味を持った最近では、出来れば単三乾電池1本で動くラジオを自作してみたいなぁと思っています。しかし、まず問題になるのがスピーカーを鳴らすアンプ回路。専用のICを使うと、簡単にできるものもあるようですが、何とかディスクリートで、しかも入手しやすい汎用部品でできないものかなぁと、しばらく考えていました。
くだんのR-155は、蓋を開けてみるとどうやらダブルエンドプッシュプル回路(DEPP)で駆動しているようです。DEPP回路ではドライバ用、出力用のトランスが必要ですが、1.5Vの電圧では、この手の回路でおなじみのサンスイのトランジスタアンプ用トランスに、手ごろなインピーダンスのものがありません。こうなると、ドライブトランスはもとより、出力トランスもカスタム仕様のものを作るしかありません。というわけでDEPPは遠のきました。
電源が1.5Vで、それをそのまま8Ωのスピーカー駆動に消費する場合、その電力はP=V^2/Rから、1.5^2/8=0.28W程度とれます。しかし実際には回路の電圧降下、そして電池の放電特性なんかも考えなければなりませんから、安定して供給できる電圧は1.0Vくらいと見なければなりません。この場合、P=0.12Wとなって、蚊の鳴くような音しか出せません。もっと低インピーダンスな昇圧トランスを使うにしても、やはりカスタムメイドになってしまいます。
トランスを使わずに高出力を得たい場合、2回路の互いに逆相にした出力信号でスピーカーを駆動する、BTL(Bridged Transformer Less)という回路があります。詳しいことは他のWebサイトに譲りますが、これにより出力が4倍(この場合では0.48W)になります。これを汎用トランジスタ回路で出来ないかなぁと色々試行しています。
試行中なので、まだこれといった回路が出来ていないのですが、とりあえず図のような回路を作ってみて、それなりの音量でスピーカーを鳴らすことが出来ています。回路の動作的には、かなりデタラメです。入力信号に対する初段と2段目のゲインが全然違っているので、ひずみも大きいです。完全にラジオ用と考えてください。出力も理論値に及びません。
今後の改良点としては、入力段に差動増幅回路を付けて正しく位相反転して、かつNFBを十分にかけてやることで、さらにパワーや特性を改善できると思っています。しかし、たかがラジオの音声増幅回路に、トランジスタ何個使うんだよ、という感じですね。どうりで誰もやらないわけだ。
しかも、仕事が忙しくてなかなかやっている時間がありません。どなたか研究してみてはいかがですか~。(他力本願モード)
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コメント
初めまして、「1.5V動作、アンプ」の検索で来ました。
電子工作万年初心者の51歳男性です。
私も1.5Vでスピーカーを鳴らすラジオをディスクリートで作りたいと以前から思っており、2010年1月に(昔挫折した)スーパーラジオに成功したのに気を良くして1.5V動作版に改造しました。
ブレッドボードに仮組み状態ですが、ローカル6局がバーアンテナだけで、机に置いて置いて聞くには十分な音圧でスピーカーを鳴らしています。
シリコントランジスタ・山水トランスST-22(の互換品)・ST-33使用、電源は単三エネループ1本です。
投稿: | 2010/02/18 23:30
コメントが遅くなりすいません。1.5Vというか、エネループなら1.2Vですね。すばらしいです。回路はやはりDEPPでしょうか。
スーパーラジオの自作は、記事で紹介したAF周りも難しい上に、局発が発振しなかったり余計なところが発振したり、なかなかうまくいかず現在挫折状態です。しかしうまく鳴らせてらっしゃると言うことで、当方ももう少し悪あがきしてみようと思います。
投稿: ぽあろ | 2010/02/23 02:05
先に書き込んだ51歳男性です。
電波新聞社刊行の「別冊ラジオの製作 図解エレクトロニクス工作」のNo.5、No.6に1.5Vアンプが掲載されています。
御所望なら拙作の1.5V版6石スーパー回路図をお送りします。
投稿: みずほ | 2010/02/23 09:34
書き忘れましがDEPP回路で、使用トランジスタはC2120-Oランクです。
C509でも良いのですが、廃番品なのでC2120を使いました。
投稿: みずほ | 2010/02/23 11:24
情報ありがとうございます。ラジオの製作、なつかしいですね。学生の頃には良くお世話になりました。まずはお教えいただいたパーツで実験してみたいと思います。ST-22とC2120は近所のパーツ屋にあるのですが、ST-33は手持ちのST-45あたりで代用するかもしれません。
本は古書店をWebで検索すると出てきそうなので、色々と当たってみたいと思います。
回路図、本当は見せていただきたいところなのですが、まずは自分で考えて、納得できるところまでやってみたいと思います。
なにか進捗がありましたら、こちらのブログで紹介させていただきます。ありがとうございました。
投稿: ぽあろ | 2010/02/26 02:47
>まずは自分で考えて
自作の醍醐味ですね(^^)
私もそうは思ったのですが、一応・・・どうも失礼を。
私の方もアンプ回路が電流を食いすぎのようなのでもう少し捻ってみます。
頑張って自分のラジオを作って下さい。それでは!
投稿: みずほ | 2010/02/27 03:50
補足
「別冊ラジオの製作 図解エレクトロニクス工作」の1.5Vパワーアンプですが、No.6はST-83を片チャンネルに2個使った(前段増幅トランジスタの無い)DEPP回路。
No.5は片チャンネル4個のトランジスタを使ったトランスレスの半導体アンプです。
どちらもウォー○マン等に接続するスピーカーアンプなので単体での増幅率は低いと思われます。
本を購入される際の御参考に(^^)
投稿: みずほ | 2010/03/07 19:48